2016年2月27日土曜日

現場マネジャーの苦悩

「クライアントを動かしたかったら、プロセスの早いうちからクライアントを巻き込まないとダメ」

ということは、教科書的に知っていて、それがいかに正しいかもいくつものプロジェクトで経験しているので、「そうしないと上手くいかない」ことは知っていた。ただ最近気がついたのは、「なぜそうなのか」ということ。

最近「これをしようと思ってる。やってくれる?」と言われたことがあった。でもこれ、明らかにだめでしょ、って思うことだったりする。これ、絶対お客さん怒るし、しかもそれ、私が自分の恥をかいてやれって言ってる?冗談でしょ!まあ結果、当然アクションに移すこともない。

じゃあそうフィードバックをして、一緒にもっといいもの、実行できるもの作ればいいじゃん、ってそうなんだけど、そういう機会はない。というか、そういう試みをしたことが何回もあったが、結局「いいからやれ」と言われる経験をしている。したがって、こういったフィードバックも上手くいかないのを知っている。上手くいかないと知っていることを、わざわざ労力割いてやることもない。

ここまで来た時、なんか圧倒的なデジャブ感。クライアントに何か実行してもらうときに、頑なに拒んだ現場マネジャーの顔が浮かんだ。「どうせ社長がするっていったらしなきゃいけないんでしょ」という、諦めに似た空気。。そうか、こういう感じか。と、初めて自分で体験した気がした。自分が実行することになっているものが、自分が正しいと信じるものになっていない、しかも、それを正す機会もない(もしくはその労力が異常に大きすぎる)。そんな状態で、いくらこちらが正しいと思うことをどんなデータで見せても、上手くいくはずなかった。結局リスクを取っているのは彼なのだから。だからこその沈黙。彼の気持ちが、今もう少し現実味を帯びて分かった


そして私はこちら側に立ったとき、その打開策があるわけではない。ただ当時マネジャーほど社長を恐れていないので、おそらく実行しないんだろうな。

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