2016年6月29日水曜日

80%で見切り発車 - キャリアに求めるバランス

インターンが一ヶ月弱すぎて、一度振り返ってみたら、「普通のサラリーマンてこんな感じかね」という感じだ。

やっていることは、結構チャレンジングで面白い。頭を使うし、「むーん」と考え混むこともある。ただそれに対して一つ一つ答えを出していって、それが信用を得ていって、「君の好きにやっていいよ」と言われるようになるまでの過程で色々なものを学んだ。(逆にそれがすぎて現在自由野放し状態である。私は嬉しいんだが、私がいなくなった後この人々大丈夫だろうか。。。などとえらそうに考えている)

一方で、ちょとゆるい、と思うことも多い。それ自体がコンサルティングに毒された考え方なのだが、一つ一つの意思決定、行動までが、驚くほど遅い。加えて、みんな責任取りたくないのか、絶対えらい人が「ええよ」というまで一切動かない。「自分はこう思う」が、あまり存在せず、存在しないからそれに基づいて「見切り発車」することはない。以前の私だったら、80%正しいと思ったら見切り発車した。20%の確率で無駄作業になるけど、それで前に進む物事の量を考えたら、トータル期待値アウトプットは見切り発車しない時より大きい、という考え方だからだ。しかし、この組織というのは何事をとっても特に厳しい締め切りがなく、「大体この辺を目指して、無理ならいいよ〜」というふわふわした感じだ。

それが、ポジティブに働くこともあるのは確か。ここしっかり頭使いたいと思ったらとことん考えることができる。また、締め切りに追われて青い顔をしてデスクで冷たいご飯を食べながらパソコンにかじりつく必要はなく、同僚と「仕事以外の話」をすることがたくさんできる。そこから人間的に学ぶことは実は結構あった。多分家庭を持っていたらなんとか両立している自分も想像できるし、実際そうしている人が周りにいっぱいいる。

多分、私が欲しいのはバランス。やっぱり、高い視点の人と仕事をするのは楽しいし、みんなが一定の目標に向かって頑張るスリルは、捨てがたいのが本音。一方で、それが度を越したところから来たんだな、ということも感じる。それって本当は1か0じゃなくて、それ以外の世界に自分の居場所をしっかり持つことが、後ろめたくない場所があるはずなのに。







2016年6月21日火曜日

会社の歯車になるというジレンマ:本当にトレードオフ?

インターンが2週間終わった。正確にいうと、実際の仕事をしたのは一週間強だけど。そこには、いろんな気持ちがある。

まず、前職にいろいろと感謝した。今やっている仕事で前職に助けてもらっていることをあちらこちらで感じる。まず、「こいつは多分ばかじゃない」というスタートラインに立たせてくれたのは前職の会社の名前が持つ力である。それだけで、(よっぽどあほなことを言ったら別だが)物怖じをせずに自信を持って正しいと思うことを話すことができる。実際に仕事をこなす段階になっても、やっぱりテクニカルなところや物事の進め方で引っかからないように鍛えてくれたのは前職だったろうなと思う。

一方で、やっぱり苦労することもある。それは後々記録していくことにして、やっぱりジレンマを感じるのは「これがやりたい仕事なんだっけ」だ。人材に関する仕事をしたかったので、多分いる部署は間違ってない。でも、私がやっている仕事は99%「分析」。もっと正確にいうと、分析をするためのツールを作っている。それ自体が間違っていることはない。でも、「問題」を解いている感覚はない。もちろんハイレベルには会社が抱えている問題がわかっていて、自分の仕事がそこのどこにフィットするのかも理解している。ただ、もっと解かなければいけない問題がありそうなのにそれに「触れない」モヤモヤ感。。。

「そもそも」の議論ができるのは、やっぱりコンサルティングの特権だったかもと思う。そもそも、この会社の人材の問題はなんなのか。「この仕事」がその問題を解いているのか。。。もちろん、ただのインターンがそんなところドンピシャで触らしてくれるとは思わないんだけど、やっぱり、もやもやするんだよ

それに関して言うと、「何を解いているのか」を、必ずしも全員が意識しているわけではないと感じることがある。技術系インターンをしている男性が、彼が作っているシステムの話をしてくれた。それ自体はとっても面白い技術なんだけど、「それ、なんですごいんですか?何のために使われるんですか?」って聞くと、「それは彼女の部署がやってるから、よくわかんない」と別のインターンを指差した。役割分担、という言葉があるように、それぞれの人の仕事にはスコープがある。でも、日々自分が時間を費やしていることが、何のためにあるのか、何に使われるか即答できないって、結局「何を解こうとしているのか」を意識していないってことなんじゃないだろうか。同じフロアの人の会話でさえ、たまに「言われたからやってる」と感じる会話を聞くことがある。もちろん上の階層ではそういった「そもそもの問題解決」が起きているかもしれないんだけど、そこまで待つには、あまりに長い

事業会社はあまりにも規模が大きいゆえに、一人一人は歯車の一つになりがちだ。それでもこの会社は会社の規模の割に人が少ないので、一人の裁量は大きい方なんだ。だから、もっと一般的な会社はより歯車感があるんじゃないだろうか。それって、やっぱりちょっと辛いんじゃないだろうか


2016年6月13日月曜日

インターンシップ:転職のもやもやってこんな感じ?

インターンの一週目が終わった

気疲れとはこのことかなと思う。特にすごい大きなことをしたわけではないのに、結構疲れた。でも、既に本当にいろんなことを勉強した。一番言えることは、これは中途転職の絶好の練習機会だということ。元コンサルの中途入社ってきっとこういう感じだろうか。。と思う瞬間が沢山あったから

1)新卒みたいな「うぎゃーなにこれ!」という感覚はない
新卒の時を思い出すと、なにをするにも大変だった記憶がある。例えばコピー一つを例にとると、プリンターってどうやってインストールするのか、どうやったら印刷できるのか、印刷設定ってどうやってするのか、印刷したものはこの山のようにあるプリンターのどこから出てくるのか、「両面」ってどうやってするのか、印刷は白黒なのかカラーなのか、普通何スライド一枚に印刷するのか、ホッチキスでとめるのかクリップなのか、、、そして間違えたらちくっと怒られた。懐かしい。そういった、基本動作ではさすがに慌てなくなっているので、そういういちいち小さいことに神経をすり減らすことはない


2)一方で、すごく特別扱いされるわけでもない
誰かが手取り足取り仕事を教えてくれるわけでは、当然ない。新卒のようにせーので入ってくるわけではないので、他の社員にとって私の入社日は1/365日。当然他の仕事もあるし、すごい熱烈に迎えられるわけではない。それは、別におかしいことではないくて当たり前。私がdirect reportする上司はどうやら結構偉い人なので、本当に忙しい。一切捕まらなくて、初日私は完全社内無職だった。忙しい人と仕事をするのは慣れているので、ここはじりじりとうまく動かないといけないかも


3)事業会社特有の「ヒエラルキー」
これ、地味にすごいな、と思った。コンサルティングとの圧倒的な違いは、ヒエラルキーの順番に話をしなければいけないということ。例えば私のプロジェクトは例の「結構偉い人」からすごいハイレベルに説明を受けた後、「君が一緒に働くことになる同僚(=彼の部下)」から全く同様の説明を受け、さらに「君が日々コンタクトを取ることになる同僚(=その下のマネジャー)」に紹介され、やっと実際のデータに触ったり、実際に同プロジェクトを進めるべきかの話ができた。あまりにもレイヤーがあったので、「共通認識のために」というスコープスライドを自主的に一枚作るはめになった。コンサルティングだったら、この人たち全員が同じ場所に集まって、プロジェクトがスタートする。そうしたら、実際会議に必要だった30 min x 3人 =90 minも30minに減るはずなのに。なんでそこ合わせる努力しないんかね。

何はともあれ、始まった。自分のペースで、無理せず2週目も頑張ろう


2016年6月1日水曜日

インターンシップが始まるので

気が早いようで、インターンシップが始まろうとしている。中国から帰って早速始まってしまうんだから、感慨に浸っている暇さえない。海外でお金を貰って仕事をするのは、初めての経験になる

初めて日本人以外と仕事をしたのは思い返せば大学二年生の時、ビジネスコンテストに参加した時だった。日本人にしては英語ができる方だと思ってたし、いけいけしていた時期である。結果としては惨敗。英語のスタミナは2日と持たなかったし、チームに自分が思っていることを順序立てて説明したり、ものごとを前に動かす力を持っていなかった。無力で辛くて、握っていた手が内出血していたのを覚えている

その時に比べて、今の自分にはちょっとは自信がついただろうか。インターンの前にIBDの経験ができたのは良かったかなと思っている。自分の強い部分が分かったし、英語はできないなりにも、仕事はできるな、という程度には上達したんじゃないだろうか。日本人であることを忘れて価値を出すことが、こんなにも不安で、誇らしいことだと知ることができたのは、本当に良かった

インターンでは違う困難に出会うに違いない。知らないことだらけだし、(引っ越すし)、そもそもお荷物に成る可能性だってめっちゃある。その時に、この経験がどれだけ助けてくれるだろう。再び惨敗することは覚悟の上で、以下のことを勉強するつもりでインターンシップに挑みたい
  1. 海外(米国)で働くとはどういうことなのか。ワーキングカルチャーやコミュニケーション上の注意等、今後海外で働くことがあった際に気をつけるべきことを学ぶ
  2. コンサルティングではなく、事業会社という初めての環境で、ものごとがどのように動いているのかを学ぶ。IBDで学んだように、どういったことが「当たり前」でないのか、自分が圧倒的に欠如している常識はなんなのかを学ぶ
  3. 人材開発、HRというファンクションが、企業の中ではどのように戦略立てて進められているのかを学ぶ
  4. いろんな人に会う。ここでしかない出会いがあるはずなので、遠慮せずにどんどんネットワークを広げる

書いてみると、ちょっと不安になってきてしまったが、いつも最初の数日はちょっとしんどいんだ。そこを過ぎたら、きっと楽しくなるに違いない

IBD終盤:プレゼンテーションが大ゴケする前に

IBDも残す所あと少しになりました。

3週間とかゲロ長いなと思ってたら、2週目以降はどどどーっと過ぎて行ってしまって、あっという間に終わりを迎えそうだ。ここに来て、本当に来てよかったな、と思った。学んだことは本当にプライスレスだった。最終プレゼンが上手くいかなかったら振り返りをする気力もないだろうから、今のうちに振り返りをしておこう


1)自分の強みを自覚すること
自分の「強さ」を実感するのは、良くも悪くも比較による所が多い。そして、違う種類の人々と長くみっちり働くことで、自分の強い部分がどこなのかを実感することができた。大きくは、コンサルティング歩兵基本装備である「クライアントが何を欲しているか考えて一歩引いてみること」「一つ一つの作業を迅速にやり遂げること」。

いやそれ、誰が喜ぶの?という問いを何度もした。私がクライアントだったら、という口上で始めたことが何度もあった。始めはうっとおしいヤツと思われたらいややなーなんて思いながらだったが、それ一つ一つが「信用」を得てゴールに結びついて、君はどう思うの?と聞かれる回数が増えて、これは自分の強みと呼んでいいんだろうかなと思うようになった。

また、レポートを書くこと、資料を作ること、そんな当たり前のことを「アウトプットとしてちゃっちゃと出す」ことが、実は当たり前じゃなくて感謝されることなんだと知ることができた。君はロボットみたいにちゃかちゃかパワーポイントつくるねって冗談言われたこともあったけど

2)コンサルティングのバリューを、コンサルティングでないやり方で提供すること
自分が非常に速いペースの世界から来たことを思い知った。一つ一つのチームの作業が「遅い」。それに対してイライラする自分。なぜレポート2枚書くのにそれほど時間がかかるのか。なぜ2時間かけたパワーポイントが意味不明な状態で出てくるのか。見積もった1時間に対して8時間かけてくるチームメイト。。。ただイライラのフェーズを過ぎたら、それが本来は当たり前なんだと理解した。みんな違うスキルセットを持っていて、(多少偉そうに聞こえても)自分ができることが他人もできると思っちゃいけない。自分ができないことをできるチームメイトもいるのだから。それを見越して、チームがこけないようにプラニングしないといけない。どこでだれとどれほどチェックインするのか、どこまでガイダンスを与えるべきなのか、全員の理解は揃っているのか、等、こけないために考えることは色々あって、イライラしている暇はないはずなんだ

そして、同じレベルのプロフェッショナリズムを求めてはいけない。作業が終わっていない状態でビール飲みに行ったチームメイト、自分がジョギングに行きたいためにチーム全体に謎の2時間休憩を求めてくるチームメイトにかなり切れそうになったが、そんなことで切れていたら血管がなくなってしまう。チームのモチベーションを下げずに、最終的なアウトプットにつなげるためには、自分と同じハードワーキングレベルを求めてはいけないんだ。自分ほどのワークスタミナを持っているひとは、コンサルティングの世界では普通でも一歩外に出れば多分それほどいない。それを、狭い世界にいると忘れがちになってしまう。忘れがちというのは、頭で理解していても、そうでない人に対してイラっとすること。頭で理解していても、やっぱりむずかしいんだけど

3)自信を持って言い切ること-英語と日本語の違い
日本語は「察する」言語である。主語は省略されるし、最後まで言い切らなくてもみんなだいたい意味がわかる。英語はそうじゃないんだ、と改めて強く感じた。特に難しい話になったときに、100%言い切ることの大切さを痛感した。なんでそう思うのか、どうして不安なのか、どうしてこれが気に入らないのか、賛成なのか、反対なのか、、、シンプルにかつ100%話すことで、伝わる量が逆に増えた

と考えると、当初の目的は達成できたと言っていいんじゃないだろうか。やっぱり自分はまだコンサルタントの価値観から抜け出してないな、と思うことはほぼ毎日あるし、イライラしている自分に気がつくこともあるんだけど、なんでイライラしているのか、を冷静に考えることができるようになった。一方で、自分の懐の狭さ、リーダーとなるには小さすぎる「懐」を、痛いほど感じた。それに気がついたのは、やっぱり大切なことだったんじゃないだろうか。これでプレゼンテーションが大ゴケすると、また違った感想が出る可能性があるが、今はまず大満足と言っておこう