2016年11月30日水曜日

アメリカに興味ない

MBA二年生の授業の半分が終わろうとしている。時間が経つのは早いもので、この学期が終わると私の留学はほぼ終了する。ここにきて、何を学ぶのかはとても迷う。自分はアントレ系には興味がないし、ファイナンスにも興味がない。かといって、ソフトスキル系ばかりとるのも何か間違っている気がするし、そもそも長期的に何がしたいのかによるやんってそれもはっきり分かっている訳でもない。

でもここにきて、幾つか将来について前より分かってきたことがある。それは、MBAといういわば人工的な「時間」によって考えることができたのと、インターンシップという全く違う環境で働く機会ができたことは、やっぱりありがたかったのかもしれない。

やっぱりアメリカに根本的に興味ない。2年過ごしてそれってどういう。。。と自分にきつめに突っ込んでしまいそうだが、冷静に考えて多分そう。誤解を恐れずにいうと、アメリカすごいとは思う。まず(本当に)でかいし、人種がそもそも多様というアジアではなかなか見ないチャレンジとか、ビジネスチャンスとか、いろんな角度からじわじわくる。それも含めてアメリカという国が持つ他国にはない要素を面白いと思うかどうかは、人によって違うかもしれない。私もアメリカの抱える課題とかビジネスチャンスとか面白いと思うけど、根本のところで本当の意味で共感できてない。この課題、解きたい!と思えない。そういったことに興味のある人々と積極的につるんだり、授業を積極的にとったり、集まりに参加したりできることは結構したが、やっぱり根本的に興味ないんだろうな、という結論に最近至った。やっぱり、アジアの方が圧倒的に面白い。市場の予測不能さ、前向きさ、勢い、(食べ物)、国と国との切磋琢磨感に加えたその規模は、どの文脈で出てきてもどきどきする。そういった直感に従うのも若いうちは悪くないかなあと思う。多分、中期的にはアジアの進出戦略とかに携われたらいいなあと思っている

多くのクラスメートがアメリカに残ろうと努力しているので、アメリカで出たオファーを蹴って日本に帰る私を気味悪そうにみる人がいるが、やっぱりそれなりに腹落ち感があったからいいんやろ、と思っている

2016年11月16日水曜日

コーヒーショップにて瞑想:自分のペースのコントロール

お気に入りのコーヒーショップがあるかどうかで、人生の豊かさが変わったりする。

と最近本気で思っている。特にコーヒーがすごい好きなわけではないが、店に入った瞬間に座る場所に迷わない(常にこの席がいいと決まっている)というコーヒーショップがあることが、家以外の安心感を与えてくれたりする。

特にバークレーではそれが重要で、私のパートナーは仕事が遅いので深夜まで家には誰もいない。かつ、バークレーは店が大体9時くらいに閉まるので、外でふらふらすることもできない。となると、生活が常に学校と家の往復になりがち。東京の港区に住んでいた身にすると、家にいることがほとんどなかったので、息がつまる。

そういったコーヒーショップで朝早くから課題をこなすなり、メールに返信するなり、文章を書いたりすることが、瞑想と同じくらいの効果をもたらしている。学校の席に座った時に頭がすっきりしていたり、ちょっと前向きだったり、そうすると相乗効果で、思ったことが口にできたりおしゃべりを楽しめたりする。
ただふと立ち止まって考えると、多分コーヒーショップとかじゃなくてもいいんだろうなと思う。それがお寺でも、一人カラオケでも、一人になって自分に向かって話ができる環境が生活の中に少しあれば、いろんな雑音に惑わされた自分のペースをもう一度軌道に乗せることができるんかな。もはや、考え方は座禅に近い。

2016年11月10日木曜日

大統領選挙を終えて

ここカリフォルニアで体験した選挙一連の空気は、残しておきたいと思ったんです。特に、日本にいる人が何を考えているのか、とても気になります。

昨日皆で開票を見るまで、私は普通にヒラリーが勝つと思っていました。なぜなら、トランプが何もわかっていないは、彼の話を30分ほど聞けばほぼ丸分かりだから。こんなひとを、人々が選ぶはずがない、と信じていました。事前のサーベイでも、ほぼヒラリーの勝利は確実に見えました。加えて、私の周りの人は、様々な角度から、なぜヒラリーが勝つのかを説明してくれました。「圧勝ではないけど、まあ負けないよね」という、暗黙の了解みたいなものが、私の周りには漂っていました。そんな空気が、1年前くらいから続いていたから。

私の友人の多くが、キャンパス内にテーブルを出して選挙登録をし、また多くがリノ(Nevada州)まで遠征して、人々のドアをノックして回りました。前日には、Swing Stateと呼ばれる接戦が予想される州に電話をかけて、投票を促していました。多くの人が、昨日を待ち望んで、またアメリカで初の女性大統領を待ち望んでいました

そして、開票は学校のクラスメート100人弱で、ダウンタウンのスポーツバーでみました。私は授業があったので、4時開始のところ、6時頃に到着。遅れる旨伝えると、「それまでには終わってるかもしれないよ(ヒラリーがKey Stateで勝った場合)」と、本当に言われました。私も、そうかもしれないと本気で思っていました。

だから、スポーツバーに到着した時、ふと見上げたスクリーンが真っ赤(トランプ優勢州の色)だった時、「え?」と目を疑いました。もちろん、アメリカの真ん中の州はElectoral Voteの数が少ないのですぐにトランプが勝つわけではないのですが、私が予想してた場の盛り上がりみたいなものが、全くありませんでした。お酒大好きおしゃべり大好きなMBAの生徒の多くが、静かにスクリーンを見上げていました。

「この州さえ勝てば、大丈夫」と、政治クラブの友人に言われました。負けるはずない、なのに、こんな接戦になるなんて、と皆驚いている様子でした。そして、North Carolina州でトランプの勝利が決まった時、「まずいかも」と近くに座っていた友人が初めてつぶやきました。

開票が進めば進むほど、トランプの勝利が近くなっていくように見えました。「もう、帰る」とリノに遠征まで行った友人が言い出したので、車を呼びました。もう一人の友人は「こんなの、間違ってる!」と、床に泣き崩れ落ちていました。最終結果は、自宅のインターネット開票結果を30秒ごとにリフレッシュして、みました。自分が見ているものがにわかに信じづらかった。

カリフォルニアはもちろん圧勝でした。そして、私はそのカリフォルニアにいながら、アメリカという国で何が起きているのか、しっかりと理解できていなかった。もちろんSupreme Court のアサインメントという要素は保守派の方々には大きいらしいのですが、それでもこんなにも多くの人が、政府をもう信じることができなくて、裏切られたと感じていることに、単純にショックを受けました。同じ国なのに、ここまではっきりと違う見方を持っている人がいて、また、それがすごく悲しいことに思えました。また、彼女が女性だから信じられないという人がやはりかなりいたということにも、同じくらいショックを受けました。

校長から、生徒全員に慰めのメールが届きました。また、私のパートナーのオフィスでは、「今日は皆色々感情的になっているかと思うから、適切と思えば自宅勤務するように」と通達が来たようです。学校に来てからも、全体にピリピリした空気が流れていて、特に熱心に選挙活動をしていた人々は完全に爆発寸前の腫れ物でした。周りの人に当たり散らしている人もいました。これから、何が起こるんだろうと、単純に不安。そしてそれはアメリカ人だけじゃなくて、日本も同じ。日本にいる人は、どんな気持ちで選挙を見たんだろうと、気になりました。