2017年5月8日月曜日

St. Gallen Symposiumを終えて

今回のSt Gallen Symposiumは学部生のころからずっと来たいと思っていたし、遂に夢叶ったという感じだった。最終的に1000通以上のエッセイ応募があったらしいので、トップ10%以内に入るエッセイを書いたのは、とりあえず褒めてもバチは当たらないんじゃないやろうか。それくらい、社会に物申したいことが増えたということなんやろうけど。議論の質が毎回素晴らしかったし、そもそも自分では一生会えないようなすごいスピーカーに毎回圧倒された。いわゆる「誰でも知っている」会社のCEOがずらずらと名を連ね、国家の省長や著名な教授などなど、最後の方は若干感覚が麻痺してしまった。一緒に食事をした日本の方となんとなく名刺交換したら、後ほど彼がノーベル賞受賞者だったと気づく始末だ。


多くの議論の中で、一つ印象に残っているのは若い世代(我々)と、こう言った世界のリーダーとの議論を、非常に重視してくれていたということだ。特に我々世代から上がる質問で「痺れた」瞬間が幾つかあった。


例えば、難民に対するより深い理解やEmpathyを高めるため、バーチャルリアリティの活用を提案する院生に対して、「コストがかかりすぎるから実行不可能だ」とジャッジが述べた際「でもそれって、パソコンが世界に現れた時に皆が言ったことですよね」とすらっと述べた時、会場が爆笑と拍手に包まれた。Brexitの議論において、EUの文化自体が戦後と比べて個人主義・Nationalismへとシフトしているのか、という疑問が教授達の議論で持ち上がった時に、ドイツの学生が「我々若い世代は、EUが各国と共にもたらす未来を信じているし、それは数値にも証明されている」と力強く述べて見せた。Nationalismへ固執は、世代格差だとも。私自身も、日本の参議院議員に日本の男女格差における教育の不足を直接訴える機会をもらった。そもそも議論されていることの根底に疑問を投げかけ、それを現代のリーダーが受け止め、挑戦し、時に賞賛するこの不思議な空間は、予想をはるかに上回る素晴らしい経験だった。

自分の世代が背負う責任を、新しく認識する瞬間だった。特に世界が大きく動く一年だったから、世代交代が起こった時に前進できる世代でありたい。どこに前進を起こすかはそれぞれなんだけど、少しずつ自分にとってそれが何なのかも前よりは分かり始めたかもしれない

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